地方や農村の嫁不足をいかに解決するか?
その原因から解決策まで

2.展望と対策


以上のように俯瞰してみたが、直感的にこの問題は歴史的・構造的に根を張っており、深刻の度合いを深めてきており、 またこれからもそれを深めていくであろうことが感じられる。

冒頭にも述べた通り、これは国の産業構造とも密接に関わる問題であり、都市に住んで生活している我々にも他人事ではない。 以下に述べる対策は、あくまでも小生の机上の論理であり、現代に至るまで諸兄が様々な方策を考慮したであろうにも関わらず、 功を奏していないことを知った上で述べてみたい。

農業

@適齢期の女性の心理として、嫁ぎ先には配偶者の職業のイメージが大きく左右する。 平易に換言すれば「ダンナにはカッコいい仕事に就いていてもらいたい」である。しかし現在の農業のイメージは記述のとおり、 お世辞にもよいものであるとは言えない。一つの突破口として、最近提唱されている「農業の工業化」という言葉がある。

この言葉は、もともとは欧米(特にアメリカ)で農作物が工業製品のように、無味乾燥に商品として扱われることを揶揄して使われていた言葉であるが、 ここでは若干その意味合いを変えたい。従来の日本の農業は、(一部の例外を除き)作付の計画立案から収穫まで個々の農家が単独で行っているが、 工業はオフィスと工場という形で多くの従業員を雇用し、製造・販売を行っている。この様式を農業に応用してみてはどうだろうか。

現在すでに農業法人の概念が確立され、従事者は従業員の形で月給制で雇用されている株式会社としての農業法人は3,000社以上あると聞く。 助成金などのメリットや、かつての農業の大きな問題であった価格決定権がなかったことにも対応できるのではないか。 ここにおける従事者の意識はすでに農業のそれではなく、株式会社の社員としてのそれを持てるのではなかろうか。 これらの農業法人が有機的に結合し、発言力を増大させていくことで、農業従事者の意識が近代化し、女子の嫁ぎ先として優良なものになっていくことが期待できる。 「農業はカッコいい」となってくれれば幸いである。


A意外な視点と思われるかも知れないが、日本国内の日本語学校を中心に、嫁不足対策を講じる案を論じてみたい。

あまり知られていないが、この業種が現在抱えている最も大きな問題のひとつに、学生の卒業後の進路が存在する。 四年制大学と異なり、身元保証が確実にできず、学生が自らの進学先・就職先を探さなければならないということはあまり知られていない。

アジアの女性

かつて、日本の農村の男子のお見合い相手として、中国やフィリピンの女性を紹介しようという動きがあったが、 これを日本語学校を通じて行おうというものである(これ以外にも、地方自治体と組み、地方の伝統芸能や伝統工芸の外国人による後継者不足問題の解決、 などという発展の方向もあるのではあるが、本題とかけ離れるために割愛する)。

まず、外国(さほど裕福でない国が適している)で「日本に嫁がないか」という(通訳つき)お見合いパーティかスカウトを行い、 日本での日本語学校の費用はその農家が負担するという契約を交わす。つまり学校サイドから見れば学生の卒業後の進路を保障し、 かつ学費の支払いもギャランティーしてもらえるということになる。農家(の跡継ぎ)・外国人女子・日本語学校の全員がメリットを享受できる。 かつて海外の女子を日本に連れてくるお見合いから思考を逆転させ、日本側が出向くという方策を提案したい。

これまでのカップルマッチングのシステムは、単独の団体の主催のものが主流を占めており、複数の意思を以て行うものが少なかったのではないだろうか。


TOP

1.実例/2.展望と対策/ 3.おわりに